ハチの巣を自分で駆除してはいけない理由|今の時期は特に危険です
ホームセンターに行けばハチ用の強力スプレーが売っていますし、動画サイトには自力駆除の映像もたくさんあります。「業者に頼まなくても、自分でできるのでは?」と考える方は少なくありません。
結論からお伝えします。自分で対処してよいのは、作り始めの小さな初期の巣だけです。そして巣が大きく育った8月〜秋は、自力駆除が一年で最も危険な時期になります。この記事では、その理由と実際に起きやすい失敗を解説します。
行政も「自分で駆除するのは大変危険」と明言しています
当店の対応エリアである福島県は、公式サイトでこう注意喚起しています。
また同じページで、県内においてスズメバチ類に刺されて死亡する事故が発生していること、スズメバチ類の被害時期はおおむね7〜11月で、「9月頃に巣の規模が最大になり、攻撃性が高まるため要注意」であることが示されています。
出典:福島県|ハチによる刺傷防止のお知らせ
東京都保健医療局も「初期の小さな巣以外は自分で行うのは危険なので専門家に頼むのがよい」としており、日本ペストコントロール協会も、巣作りの初期状態を除いて「防護服を持つ専門業者による防除処理がどうしても必要」と明記しています。
出典:東京都保健医療局|スズメバチ/日本ペストコントロール協会|ハチ
なぜ「今の時期」の自力駆除が一番危ないのか
春先の巣は女王バチ1匹だけの小さなものですが、夏の間に働きバチが増え続け、9〜10月には巣も働きバチの数も年間最大になります。中には数百匹がひそんでいて、次世代の女王バチを守るため攻撃性も最高潮です。春なら「1匹を相手にする作業」だったものが、秋には「数百匹の反撃を受ける作業」に変わってしまうのです。詳しくは秋のスズメバチが一年で最も危険な理由にまとめています。
自力駆除でよくある失敗5パターン
失敗① スプレーをかけ損ねて、巣全体を怒らせる
市販スプレーは正しく命中し続ければ効果がありますが、暗い場所や離れた距離からでは狙いが外れがちです。仕留めきれなかった場合、巣の中の大群がいっせいに反撃してきます。一度失敗した巣は警戒状態になり、プロでも難易度が上がります。
失敗② 脚立・屋根の上での作業中にパニックになる
ハチの巣は軒下や高い場所にできがちです。足場の不安定な脚立の上でハチに向かってこられると、冷静ではいられません。刺されること自体に加えて、高所から転落する危険が重なります。
失敗③ 巣を落としただけで「駆除できた」と思ってしまう
巣を棒で落としたり袋で覆ったりしても、外出していた働きバチは戻ってきます(戻りバチ)。巣がなくなった場所を飛び回る興奮状態のハチが数日残り、かえって危険になることがあります。当店の駆除では戻りバチの処置までを含めて対応します。
失敗④ 天井裏・床下など「逃げ場のない場所」で作業する
閉所の巣は、ハチに向かってこられたときに退路がありません。防護服なしで挑むのは非常に危険です。閉鎖空間の巣は迷わずプロにお任せください。
失敗⑤ 2回目に刺されてアナフィラキシーを起こす
過去にハチに刺されたことがある方は、2回目以降にアナフィラキシーショックを起こすリスクがあります。ハチ刺されによる死者は毎年20〜30人。「前も刺されたけど大丈夫だったから」はむしろ危険サインです。刺されてしまったときの対処は正しい応急処置をご覧ください。
自分で対処してよいのは「初期の巣」だけ
次の条件がすべてそろっている場合に限り、市販スプレーでの対処も選択肢になります。
- 巣の大きさが数センチ程度で、作り始めたばかり(アシナガバチなら巣穴が10個程度まで)
- ハチが1匹(女王バチのみ)しか見当たらない
- 開放的な場所にあり、脚立を使わず手が届く高さ
- 時期が春(4〜6月上旬)である
巣を確認しに行く前に知っておくべきサイン
「まず巣の様子を見てから考えたい」という場合も、次のことを知ってから近づいてください。山口県の注意喚起資料に基づくポイントです。
- 身の回りをハチが何度も行き来し始めたら、近くに巣があるサインです。それ以上進まないでください
- 「カチカチ」という音はスズメバチの最後通告(顎を打ち鳴らす威嚇音)。聞こえたら、走らず・手で払わず、ゆっくり後退してください
- スズメバチは黒い部分を襲う習性があります。黒い服・黒髪の頭部は狙われやすいため、白っぽい帽子や服装で
- 香水・化粧品には攻撃行動を引き起こす成分が含まれることがあります
「業者は高そう」という心配について
自力駆除を選ぶ理由の多くは費用です。ただ、当店は巣の大きさに関係なくハチの種類だけで料金が決まる一律料金制なので、「見積もりを取ったら想像以上だった」ということがありません。
| ハチの種類 | 料金 |
|---|---|
| アシナガバチ | 15,000円(税別) |
| スズメバチ | 22,000円(税込24,200円) |
| ミツバチ | 要相談 |
業者選びの注意点(極端な格安表示など)はハチ駆除の費用と業者の選び方にまとめています。
よくあるご質問
市販の駆除スプレーは効かないのですか?
薬剤そのものは有効です。問題は「正しく当て続けられるか」で、距離・暗さ・ハチの反撃でうまくいかないことが多くあります。作り始めの小さな巣に、説明書どおりの距離から使う分には選択肢になりますが、育った巣への使用はおすすめできません。
夜なら安全に自分で駆除できると聞きました。
夜はハチが巣に戻り活動が鈍るため、プロも夜間や早朝に作業することがあります。ただしそれは防護服と経験があってこその話です。暗さで狙いが外れやすくなる・ライトにハチが向かってくるなど、素人にはかえって不利な条件も増えます。
巣が小さいか大きいか、自分で判断できません。
無理に近づいて確認しないでください。3m以上離れた場所からズームで写真を撮り、LINEで送っていただければ、種類と危険度をこちらで判定します。判定とお見積もりは無料です。
自分で駆除に失敗してしまいました。すぐ来てもらえますか?
まずはハチから離れ、刺されていないか確認してください。刺されて体調に異変があれば救急車が最優先です。巣への対応は、状況をお聞きした上で可能な限り早く伺います。失敗直後の巣は警戒状態になっているため、それ以上は近づかないでください。